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鎌田 裕; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 41(10), p.1311 - 1325, 2001/10
被引用回数:80 パーセンタイル:89.55(Physics, Fluids & Plasmas)高閉じ込め、高規格化、高自発電流、完全電流駆動、効率的な熱・粒子除去等の性能を同時に満足するトカマク運転方式のJT-60による開発研究の成果をまとめた。輸送障壁を有する負磁気シア及び弱磁気シア高ELMy Hプラズマの2つの改善閉じ込めモードにおいて、定常状態に近い電流分布を有する完全電流駆動プラズマの準定常維持に成功した。負磁気シアプラズマでは、閉じ込め改善度(HH)~2.2、規格化値()~2、自発電流割合(f)~80%を、高ELMy HプラズマではN-NBIを用いてHH~1.4、~2.5を実現した。エネルギー増倍率0.5の負磁気シアプラズマの0.8秒間保持、N-NBIによる世界最高のビーム電流駆動効率の達成、連続ペレット入射による高閉込めプラズマの高密度化に加え、衝突頻度、規格化ラーマ半径、イオン・電子温度比等が核融合炉の領域に近づくなど、プラズマ性能を特徴づける主要パラメータが大きく進展した。電子サイクロトロン波による局所電流駆動による新古典テアリングモードの安定化、壁安定化効果による高化に成功しMHD安定性の改善に成功するとともに、プラズマの回転制御による内部輸送障壁の能動的制御を実証した。ダイバータの両側排気により、He排気性能を40%向上した。Arガス入射により高密度領域で高い周辺温度を実現し、良好な閉じ込め性能を有するデタッチプラズマの生成に成功した。高q95、高領域で高三確度形状にすることで、ELMをGrtassyELMにすることに成功し、ELM時のダイバータ熱負荷を減衰させた。本論文はこれらJT-60の成果を総合的にまとめたものである。
滝塚 知典; 細川 哲也*; 清水 勝宏
Journal of Nuclear Materials, 290-293, p.753 - 756, 2001/03
被引用回数:19 パーセンタイル:76.49(Materials Science, Multidisciplinary)粒子シミュレーションコードPARASOLを用いてデタッチプラズマの形成に対する拡散粒子損失と放射エネルギー損失の効果を調べた。ダイバータ板近傍で、拡散により密度は減少し、放射により温度は減少する。板近傍での超音速流の発生により、温度が低下しても密度の上昇は起きない。超音速流の条件はC(R/R)(T/T)1であり(R: 粒子束増倍係数,R: 運動量減衰係数,T: 板近傍の温度,T: 入口近傍の温度)、板近傍のマッハ数はM=C+(C-1)となる。ここでMは1より大きくなっている。シミュレーションの結果はこの表式とよく一致している。拡散・放射とデタッチプラズマとの関係について検討し、超音速流による低密度化がデタッチ状態を容易に形成することを示唆した。
滝塚 知典; 細川 哲成*
Contributions to Plasma Physics, 40(3-4), p.471 - 477, 2000/11
被引用回数:19 パーセンタイル:51.35(Physics, Fluids & Plasmas)スクレイプオフ層(SOL)プラズマとシース形成に対する径電場の効果について、粒子シミュレーションコードPARASOLを用いて研究した。磁気的プレシースに関する従前の理論をシミュレーションによって確認した。ErBドリフトにより、SOLプラズマの流れ様式と密度分布が非対称になる。ダイバータ板に垂直方向の流れが、板の直前で特別に定義される音速より大きくなるという、シース形成の条件を明らかにした。SOLプラズマの非対称は、原理的にこの境界条件がもたらす。ErBドリフトの増加に従い、非対称性は大きくなる。ドリフト速度がある限界を越えると、ErBドリフトが板から流れ出る側のダイバータ領域において、デタッチプラズマが形成される。